よだかの星(宮澤賢治)読書の記憶 二十一冊目
ぐんじょういろ は、どんな色?
小学校に入学する時、親に「24色の絵の具」を買ってもらった。そこには、今まで見たことがないような彩りが並んでいて、ここにある絵の具を全部使って絵を描いたならば、とんでもなくすばらしいものが描けそうだ、と子どもながらにわくわくしたものだった。
その絵の具の中に「ぐんじょう」という色があった。見た目は「あお」を濃くしたような感じ。でもそれは「こいあお」でも「くらいあお」でもなく「ぐんじょう」だった。
「ぐんじょう」とは何だ? 「レモンいろ」ならば、レモンを描く時に使えばいい。でも「ぐんじょう」は何に使えばいいのだろう? たぶん、ぼくが知らない「ぐんじょう」という何かがあるのだろうけれど・・・いつか使う時がくるのだろうか?
そして「あお」や「そらいろ」は何度も使ったけれど「ぐんじょう」は使いどころを見つけることができないまま、小学生の図工の時間は過ぎ去って僕は中学生になってしまっていた。