「I can speak 太宰治」読書の記憶(六十三冊)
僕はHに「何か英語の単語教えてくれ」と頼んだ。彼はおもむろに少し得意げな表情を浮かべながら「自転車はbicycle。三輪車はtricycle」と言う単語を教えてくれた。僕は、Hに続いてこの二つの単語を発音してみた。どこか、新しい世界に脚を踏み入れたような、わくわくとした気分になったことを覚えている。
だけども、さ、I can speak English. Can you speak English? Yes, I can. いいなあ、英語って奴は。(太宰治 I can speakより)