「I can speak 太宰治」読書の記憶(六十三冊)
僕はHに「何か英語の単語教えてくれ」と頼んだ。彼はおもむろに少し得意げな表情を浮かべながら「自転車はbicycle。三輪車はtricycle」と言う単語を教えてくれた。僕は、Hに続いてこの二つの単語を発音してみた。どこか、新しい世界に脚を踏み入れたような、わくわくとした気分になったことを覚えている。
だけども、さ、I can speak English. Can you speak English? Yes, I can. いいなあ、英語って奴は。(太宰治 I can speakより)
太宰治のI can speak を読んだときHのことを思い出した。Hとはもう30年以上も会っていない。その間、連絡もとっていない。道ですれ違うことがあったとしてもお互い気がつく事はないだろう。彼は今どんなどんな仕事をしているのだろうか?少なくとも、英語関係の仕事ではなく理数系の仕事をしているような気がする。なんとなくだけどそんな気がする。
太宰治 人間失格 思ひ出 富嶽百景 トカトントン 皮膚と心 I can speak 一問一答 兄たち 葉 同じ星
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