読書の記憶 二十九冊目:図書館で借りてきた本。

図書館で借りてきた本に「貸し出し期間表」が貼り付けられたままになっていた。その記録によると、この本が最初に借りられたのは、昭和43年らしい。そう、40年以上もの間、この本はたくさんの人の手に渡り、読み続けられてきたのだ。

あらためて本を手にとって眺めてみると、あちらこちらに補修の跡が見られる。すり切れた表紙、茶色に変色した紙。そして根元からちぎれてしまった、しおりに使う紐(これは何と呼ぶのだろう)。



貸し出し表を入れる袋に印刷された注意書きにも時代を感じる。「皆さん」と少し大きめのフォントで呼びかける雰囲気が、いかにも昭和っぽい。いつもアイロンがピシッとかけられた白いシャツを着ている女性の先生が、教壇の机に両手をついて淡々と話をすすめていく感じ。話の途中で質問をすると「質問は、先生の話が終わってから受け付けます」と、ぴしゃりと冷静に返す感じ。

そして、

「ゆびをなめずにページをひらき」

という項目を読んで、そういえば中学校の時に、プリントを配る時に指を舐める先生がいて、女子生徒から非難されていたことを思い出した。まさか本の注意書きを見て、あの先生のことを思い出すとは考えもしなかったな。

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