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「偉人伝を読んでいた日」読書の記憶 五十五冊目

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小学1年生の頃の話。自宅の本棚に 「偉人の伝記集」 があった。いわゆる「偉い人の話」というやつだ。子供向けにまとめられた 10冊前後の全集で、日本から世界まで様々な地域や職種の伝記が収録されていた。(残念ながら正式名称は忘れてしまった。本も親に処分されてしまったので、今手はもう確認することができない) そこに紹介されている人達の人生は、一様にドラマティックだった。周囲の人に「そんなことは無理だ」と言われたとしても、どんなにひどい困難が彼らを襲い肉体的精神的に追い詰められたとしても、仲間が去ってしまって一人きりになってしまったとしても、彼らは絶対にあきらめることがなかった。昼も夜も作業を止めることはなかった。そしてわずかでもチャンスが見えたならば、果敢に挑戦し結果を手につかんでいた。 おそらく当時の自分は、この本の中で紹介されている人達を「実在の人物」だと思っていなかったと思う。これは架空の物語で、自分が生活している世界とは別の世界の話と感じていたように思う。参考にしよう、とか、彼らを見習おう、というレベルで読んでいたわけではなく 「特殊な能力を持った人たちの架空の物語」くらいに考えていたような気がする。 それでも小学生なりに「夢を手にするには、ものすごい困難に立ち向かわなければいけないのだ」とは感じていたと思う。新しい世界への挑戦には尋常ではない困難がセットになっているし、それは絶対に避けられないものだ、と。 どこまでシリアスに考えていたかは謎だけど、人生経験の少ない小学生なりに「夢に向かって挑戦するというのは、そういうことなのだ」と感じながら読んでいたように思う。 来月の末で、自分が独立してから17年目となる。年数だけを見ると、そこそこ立派な期間だと思う。しかし実情は、小さな船が嵐の海をギリギリで漂っているかのように、毎日、毎週、毎月と、少しずつなんとか乗り切ってきただけである。 そして、多少苦しいことがあったとしても「ここを乗り越えれば、その先にきっと!」と希望を捨てずに頑張ることができたのは、小学生の頃に読んでいた「 偉人の伝記集 」のお陰かもしれない。自分で意識しているよりも、それらに深い影響を受けていたような気がする。 子供のころに読んだ本は、大人になってから決断をする時の「重要な要素」になっているのではないか