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「同じ本を二冊買ってしまった時に、考えたこと」読書の記憶 五十八冊目

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同じ本を二冊購入してしまった時のショックは、意外と大きい。買った本を覚えていないのか、という自分の記憶力に対する情けなさ。買ったのに読んでいないから同じ本を買ってしまうのだ、という未読の本の多さに対する自己嫌悪。そもそも本を「読む」のが好きなのではなく、本を「買う」ことが好きなのではないか、と物欲の強さに対する自己批判。そんなあれこれが混ざり合って、わりと大き目のショックを感じるのではないかと思う。 ちなみに自分が同じ本を買ってしまうパターンは、 1)新刊で買った本を、古本屋で見つけて買う 2)古本屋で買った本を、古本屋で買う 大きくわけて、この二つに分類される。 1)の場合は「おお、欲しかった本が古本屋で安く売られている!」と得した気分になったのも束の間、自宅で同じ本を発見してダメージを受けるというパターンである。 2)の場合は「これは確か、すでに古本で購入したような気もするが・・・まあ、ダブッても安いからいいか」と、自分の曖昧な記憶に挑戦して破れるパターンである。迷ったならば、一度自宅に帰って確認してから購入すればいいのだが、古本の場合は次回の来店時まで売れ残っている保証はないので、一か八かで勝負を挑んでしまうわけである。そして、みごとに負けてしまいダメージが蓄積していくのである。 しかし最近では「もし売り切れても、それは縁がなかったということだから」と「迷ったら買うな」の自己ルールを定めるようになっていたため、ほとんど同じ本を買うことはなかった。実際に、次回に来店した時に売り切れていたとしても「仕方がない」とあっさりと諦めることもできるようになってきた。 これはおそらく、年齢を重ねることで「手に入らないことによる悲しみの感情」が減ってきたからかもしれない。「手に入るものよりも、入らないものの方が多いんだよ」と、経験から学んだ人生哲学のようなものが確立してきたからなのかもしれない。 しかし、その反面「一度手に入れたものに対する執着」は強くなってきたようにも感じる。手に入らないものは仕方がないが、そのかわり、一度手に入れたものはしっかり掴んで離したくない、という感情が強くなってきたようにも感じるのだ。そう考えると、全体ではプラスマイナスでゼロになるのだろうか。意外と、世の中というものは「そんな風に」どこかで